『ZEH住宅』
TV・インターネット・SNSなどで、お聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか?
全く聞いたことないという方や、聞いたことがあるけれど、何のことか分からないという方・・・様々だと思います😊
上の図は、現在国が進める脱炭素社会に向けての住宅性能※ロードマップです。
(※住宅性能とは、良質な住宅を作っていくための基本的な性能のことです。)
こちらの右から2番目の緑色部分を注目してみてください。
2030年、今から残り6年で、新築住宅の義務基準が今回お話しする『ZEH』レベルへと引き上げられるようになります。
義務ということですから、それ以下の性能の新築住宅は2030年からは建てられなくなるという事です。
脱炭素とエネルギー問題解決に向けて、これからはZEH住宅が標準仕様、つまり当たり前になっていきます!!
今回はその『ZEH住宅』について、ご説明させていただこうと思います!
まず読み方から。『ZEH(ゼッチ)』と読みます。
これは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語です。
それだけじゃ分からないですよね(^^;) 日本語に分かりやすく言いますと、
使うエネルギーがお家で創るエネルギーとの差し引きで、概ね0(ゼロ)以下になる住宅のことを言います。
つまり、気密や断熱のしっかりしたお家の中で、電化製品は省エネ機器のものを使い、太陽光パネル等を設置してお家でエネルギーを創ります。
その創った1年間のエネルギーの量が、家で使ったエネルギーを上回る、すなわち実質0(ゼロ)以下になるお家のことをいいます。
凄いお家ですよね!!
ZEH住宅の他にも、いろいろな住宅性能があります。下記の表にまとめてみました!
今お話ししたZEH住宅は、全体の中でどのくらいの水準になるのかをお話ししていきたいと思います。
ZEH住宅は上から3番目に省エネ性能が高いレベルとなります。
3番目と言いましても、1次エネルギー消費量削減率(住宅で使用するエネルギーの削減率)が
100%以上のお家なので申し分無い、とっても良いお家の仕様となります!
来年度からは1番下の「省エネ基準住宅」仕様が義務化になります。
「省エネ基準住宅」の1次エネルギー消費量削減率(住宅で使用するエネルギーの削減率)が0%となっているので、
ZEH住宅がいかに凄い性能だという事が、伝わるのではないでしょうか?
とっても性能の良いZEH住宅。ZEH住宅を作るには必要な要素が3つあります!
図:経済産業省資源エネルギー庁HP参照
①省エネ
お家で使用している電力量・ガスの使用量や太陽光発電等による発電量等を確認するために、
専用のシステム「HEMS(ヘムス)」という機械が必要になります。
他にもお家で使用する空調・換気・給湯・照明を省エネ性能の高いものを導入することによって、
エネルギー消費量が大きく削減するので、省エネタイプの機器が必要になってきます。
②高断熱
暑さや寒さに影響されにくいお家になるように、壁・床・屋根・窓の断熱性能を高めることが必要になります!
断熱材や窓の性能を高めることによって断熱性能が良くなると、冷暖房に使うエネルギーを減らすことが出来ます。
「夏は日射の熱を室内に入れない、冬は室内の暖かい熱を外に逃がさない」ことで、住宅内の室温を一定に保ちやすくなります。
高断熱にすることにより、エネルギーを極力使わないようにすることが求められています。
③創エネ
ZEHでは、生活で消費するエネルギーを上回るエネルギーを創り出すことが求められています。
なので、屋根に太陽光発電システムなどの再生可能なエネルギーシステムを備えておくことが必要になります!
これら3つを満たしたお家のことをZEH住宅と呼びます!
さてお次は、ZEH住宅のメリット、デメリットを紹介していきます。
ZEH住宅のメリット
①光熱費が安くなる=お財布と環境にやさしい
高断熱・高性能な省エネ機器・創エネにより、今後エネルギー価格が上がっても、月々の光熱費を安く抑えることが出来ます。
さらに、太陽光発電などによる「創エネ」の効果によって、地球にも優しくサステナブル(持続可能)な社会の実現にも貢献します。
②災害時の安全・安心
太陽光発電などで生み出した電力を蓄えて置ける蓄電池を設置すれば、停電や自然災害時の非常電力をまかなうことが出来ます。
また、電気自動車の充電も可能です。
③健康で快適な毎日が送れる
ZEH住宅はお部屋ごとの室温変化が少ないので、住居内の寒暖差によってリスクが高まる、冬の心筋梗塞などのヒートショックによる事故を防ぎます。
(約1万7千人がヒートショックに関連したことで急死したと言われており、交通事故よりも多く発生していると考えられています。)
ZEH住宅は、夏涼しく冬暖かいといった快適な環境で安全な生活が送れます!
④高く売却できる可能性がある
住宅の省エネに対する取り組みを評価する指標の一つに、
一般社団法人「住宅性能評価・表示協会」の「BELS(ベルズ)」という認証制度があります。
ZEH住宅は、BELSで高評価を得られるため、資産価値が高く見積もられ、将来売却する際にも高値で売れる可能性があります!
住み心地のことや災害時のことも考えられていて尚且つ資産価値の高い住宅は、とても魅力的です。
ですが、良い点ばかりではございません。続いては、デメリットをご紹介していきます。
ZEH住宅のデメリット
①天候によって発電量が変化する
ZEH住宅に多く取り入れられる太陽光発電は、太陽光エネルギーによって電力を生み出します。
なので、住む場所や天候によって変化してしまいます。
発電量が一定ではない為、常に安定した電力を得られない可能性があります。
また、建設予定地の近辺に高い木や建物があり日陰が多い土地や、日照時間の少ない地域では発電量が低下します。
ZEH住宅を建てる土地を選ぶ際には、その地域の気候や現在の近隣状況だけでなく、将来のことまで確認できると良いでしょう。
②デザインや間取りが制限される
ZEH住宅を建てる場合、思い描いていたような外観デザインや間取りにならない場合があります。
ZEH住宅では、一般的な住宅よりも多くの設備を設置する必要があります。
そして、太陽光発電を十分に活用するためには、屋根の角度にも制限が出てきます。
③設備投資やメンテナンス費用がかかる
太陽光発電システムをはじめとする各種省エネ機器を設置するには、設備投資費用がかかります。
また、省エネ機器を長く使うためには、定期的なメンテナンス費用も必要になってきます。
とはいえ、光熱費の削減効果やZEH住宅の資産価値が高く見積もられる可能性を考慮すると、
長期的観点では省エネ機器にかかるコストは回収できると考えられています。
良いものを求めると、コストがどうしてもかかってしまいますね…😭
コストがかかるとやはり手が出しにくいとお考えの方も多いと思います。
ですが、国が新しく家を建てる多くの人がZEH住宅を建ててもらいやすくするために、補助金を出し普及を促進しておられます!
今時点での令和6年の補助金情報は以下の2つが既に公開されています。
・子育てエコホーム支援事業
この事業は、ZEH基準に合致する家を建てることで、80万円の補助金が交付される制度です。
ただし、お施主様が子育て世帯または、若者夫婦世帯(夫婦いずれかが39歳以下)を対象とした制度となります。
対象となる世帯が限られますが、次に紹介する「戸建てZEH補助事業」よりも補助金額が高い点がメリットに挙げられます。
詳しくは下記URLをご覧ください。
・令和6年度戸建てZEH補助事業
この事業は、令和3年から継続して行われている制度で、ZEHやZEH+の基準に合致した家を建てることで、
仕様によって55万円~100万円の補助金が交付される制度です。詳しくは下記URLをご覧ください。
まだ提示されただけで不明な点もある事業もありますし、これからその他の補助事業が増えてくる可能性もございます!
コストがどうしても高くなってしまいますが、補助金があると前向きに検討することが出来るので嬉しいですよね😊
以上がZEH住宅の簡単なご説明となります。
何事にもそう言えるのですが、やはり良いものはコストがかかります。。。😭
ですが、住み心地や災害時の心配、そして日々のランニングコストが抑えられる点はとても魅力的でおすすめの性能です✨
6年後の義務化を見越し、そして国からの補助金を上手く利用して、
新築住宅をご検討されている方は、住宅性能をZEHにされることを検討されてみてはいかがでしょうか?
もちろんご相談お受けしておりますので、お問い合わせください😊📞📧